このところのあれこれ 

6.14.2022  日々のこと

私のなかの小さな幻灯を、文にしようか漫画にしようか絵本にしようか。
ひとめにふれない  しあわせな  しろタンポポ。



ボローニャから帰国してエネルギーが溜まったのに、時間がない。
ものづくりって、心の静けさとある程度まとまった時間が必要なのだ。だから来月でアルバイトをやめることにした。両立できるほど器用じゃないのでしかたなし。おかげで名古屋にいるあいだ創作に専念するための最低限のお金は貯めることができた。

細切れの時間にイライラしつつも、ぽっかり忘れてなんとか生みだせたのは短編の小説だった。
童話と現実の間のような400字19枚。
ネームレスの絵本に刺激を受けてからの、まさかの天邪鬼。文だけ。
できあがった時のよろこびと全能感は子供の頃に味わったような純粋なもの。久しぶりに味わった。

小学生の時に小説を書こうとして、小さなノートにブルーブラックのペンで書き出した。ぶたのリヤオのお話だった。途中で詰まって放り投げた。文章で作品を作ろうとしたのはそれ以来だ。宿題なんかはイヤイヤやらされただけなのでもちろん除外。文才はないけれど、書きたいと思いがあふれた時には脳内の映像や音、におい、空気、感情をあるていど伝えることができるんじゃないかな。

インクとGペン


細切れの時間のガス抜きには色々ある。
ペン画の練習。漫画の画材って苦手意識があったのだけれど、最近それが変わった。中古の木のペン軸を買ってみたのだ。短くてシンプルなもの。軽くて手と一体感がある。握りも描き味も良くていっぱい描きたくなる。以前使ってたのは長くてカリカリ動くし身体と手とペン先がちぐはぐな感じだった。新しく手に入れたペン軸を使ってみてはじめてそれがわかった。

ペン画

紙もツルツルのケント紙が苦手だったのを画用紙にしてみた。いい感じのひっかかり。相棒って感じがする。子供の頃のアルバムを引っぱり出して描いてみた。トーンは古いフォトショップ。プリンターはコンビニ。

ガス抜きその2。
ビンの底かな。シーグラスに絵を描いてみた。水をかけると透明になってきれい。海のすり清められたガラスが波間で見る夢をつなぎとめるお手伝い。

シーグラス

動画も作ってみた↓



正直なところ動画は絵の邪魔だ。早く仕上げなきゃとか人目をうっすらどこかで意識するからだ。クオリティは落ちるだろうし、もっと怖いのはクオリティが根本的に変質する可能性があること。ガス抜きだからできてると思う。

ガス抜きその3。
重箱にブレーメンの音楽隊を絵付けしてみた。

ブレーメンの音楽隊

石ころや木の輪切りやシーグラスが収まる箱。ブレーメンのろば、いぬ、ねこ、にわとりはそれぞれお年寄りで幸せなご隠居生活が叶うんだよね。うらやましい。私もはやくおばあさんになりたい。若い人たちを温かい眼差しでそっと支えるような。清潔でさっぱりした迷いなき老人。

木の重箱 中には小間物の素材


選べないと迷ったら、コロコロさいころふって、とりあえず一歩すすみます。



ほそぼそとでいい。作りながら生きていけたらいいのに。傷つくのが嫌でもう何も期待したくないと思いながら、瀬戸際で足掻いてしまう自分がいる。どこかで道がひらけるよう、種をつくり植える日々が8月から始まる。







© Fukui Rie