ボローニャブックフェア2022
4.05.2022 日々のこと
ボローニャから帰国して1週間、無事自宅待機が終了しました。ひきこもるのは大得意でじーっとしていました。旅の記録を忘れないうちにつけておこうと思います。
コロナの後に戦争と踏んだり蹴ったりの状況のなか、平和の架け橋として開催されることが決まったブックフェア、ぎゅっと時間を煮詰めた大学のような印象を受けました。
まずワクチン接種証明でゲートを通過して、入ったところすぐのイラストレーターの壁に用意してきたポスターと名刺を入れました。名刺はすぐ売り切れます。300刷ったのに1日もたなかった。効果があればいいのだけれど……(^ω^;)
入選した作品をながめたのち、うろうろ探してようやくJBBYの受付を見つけると、ラッキーなことに知り合いの方に出会えました。
ブックフェアを案内してもらいざっと周ったあと、一人で「これは」と思うところを重点的に見て回り、充実した楽しみ方ができました。ありがたや。例年より少ないとはいえ色々な国にたくさんの出版社があるんだなぁと、ごく素朴に感心してしまいました。
私ったらえらいんですよ。それはね、事前にアポイントが取れた出版社と打ち合わせしたり、ポートフォリオを見てもらったり、勇気を出して少しだけ営業をがんばったから。以前ならすべて人任せにして恥ずかしがって1ミリも動けなかったけれど、ね、たいした成長です。でもまぁ成果はあまり期待しないに越したことはありませんね(^ω^;)
▲ ゆるかわいい〜 コマ割り絵本もたくさんあったよ
慣れないことをしたせいかわりとすぐにヘトヘトになり、苦手なことはそこそこで良いだろうと打ち切りました。そしてはやばやと学生モードにスイッチ。面白そうな講義を聴講したり、美しい本を立ち読みしたり、絵本ざんまい。
▲ 特色を使った絵本たち
一度は行ってみたいと思っていたボローニャブックフェア 、このまま戦争が悪化したら二度と来られないかもしれない、そう思いいてもたってもいられず旅に出たのだけれど、来て良かった。
▲ ウクライナの特集がありました ▼ウクライナのブース
▲ 平和への願いを込めて私も描いてきました
ステイホームの間にいつのまにか毛穴が塞がって、四季も感じられず、感性を閉じてしまっていたことに気がつきました。様々なクリエーターの創作欲、自分の世界を作りこみたい願望を、ざぁーっとシャワーみたいに浴びて、まわりにこびりついていた余計な不安やら何やらがはがれ落ちて行く。励起する感じ。私もまだ作りたいものがあるって強く意識したのでした。需要はないかもしれない、そう思うと心細さに立ちすくむけれど、それとこれとは関係ないんだよね。
▲ ぶら下がっていて立ち読みできます
街は古くて石造りでとても落ち着きます。昔『死神と少年』で夢見て描いた古いものたちの街みたい。現地にお住いの作家さんに案内していただいてボローニャがいっきに好きになりました。見知らぬ地でも画材屋さんをみつけると暮らせるなと思う。
▲ 画材屋さん。店内はけっこう広くて品揃えが充実している
▲ 店員さんに「素敵なお店ですね」と一生懸命伝えたら嬉しそうに「グラッチェ」
わぁーい桜だ!日本の桜とはちがうけれど、それでもテンションが上がります。
途中イスタンブール空港で乗り継いで片道20時間くらい。私は空を飛ぶのが好きみたい。途中何度か悪天候に飛び込んでガタガタ揺れたりスッと降下したりしましたが、それも含めて浮遊感が好きみたい。
▲ 日本の夜景
行く先々で迷子になってはGoogle先生と親切な方々に助けられる旅でした。馴染みない土地ってごく簡単なことがわからなかったり、気を張るんだとわかって、海外旅行者には親切にしようと心に決めました。そしてもうね、日本に帰って来たときはものすごく安心しました。ボローニャを好きになって、日本をもっと好きになったみたい。色々な方にアドバイスいただきながらなんとかこなせた海外旅行。私には必要だと直感し、そして実際に必要だったみたい。実り多き豊かな旅となりました。