ソラリオン星になる
6.11.2020 じゆう帳
埼玉から北海道まで一緒に旅したソラリオンがとうとう壊れてしまった。
今日でお別れだ。
東日本大震災から半年後の2011年の夏の旅だった。
北海道の帰りに軽自動車で一人旅するじいちゃん銀二(勝手に命名)に、 どうしても言っておけとすすめられて仙台や陸前高田を見てきた。 ソラリオンと一緒に。
リアス式海岸のぐねぐね道をいくと、 すんでで助かった民家のおばあちゃんが元気に庭仕事をしていた。 眼下には津波で根こそぎになった街が広がっていた。 土嚢でおさえられた海、その海面より低くなった道を走る。 小学校の教室には鉄筋がぐしゃぐしゃに押し込められていた。 山の麓まで広がる地形が露わになっていて、 根こそぎ、という言葉がよぎった。
夜、仙台のマックで休憩していると、
中学生が3人身を寄せ合って、
流されてしまった友人のことを話していた。
3人でいないと折れて崩れてしまいそうに見えた。
旅のスケッチはできなかった。
今でも目に焼き付いている。
いろんなものを一緒に見てきたソラリオンは今日旅だった。
きれいな空色のバイク。
大好きだよソラリオン。
古いものたちの街でたっぷり遊ぶんだよ。